2017世界マーマレード金賞受賞の「金箔柚子茶」を地元UTYで取材いただきました。
まずは、製造している八田農産物加工施設のあるハッピーパークで商品を紹介。
こちらの直売所で「金箔柚子茶」は手に入ります。木曜日は定休になります。
キラキラと金箔がきらめく柚子のマーマレードです。
まずは、金箔柚子茶を製造したきっかけから。
あるバイヤーさんから、金を使ったジャムが出来ませんかとお問い合わせがありました。
金を使ったジャムにふさわしいもの・・・・
と考えて、やはり同じ黄金色の果物である柚子を使うことに。
この柚子茶の原料は、山梨県で一番の柚子産地、富士川町穂積地区産の柚子を使用しています。
この穂積地区は、柚子の実る冬至の頃ちょうど日の出が富士山の頂上から昇るダイヤモンド富士が見られる場所としても有名なんですね。
またこの地域は峡南地域と呼ばれ、山梨県の南西一帯は、日蓮宗総本山身延山久遠寺・信玄の隠し湯下部温泉・世界一古い温泉宿奈良田温泉など歴史あふれる地域。そして、武田信玄の財政を支えた甲州金山の会った場所でもあります。
穂積地区の柚子は、関東でもダントツの生産量を誇る産地です。
山梨の中では温暖な峡南地域ですが、特にこの穂積地区は山あいの中腹にある日当たりの良い地域。 暖かい空気が上に昇り、上空の冷たい空気の層とぶつかって暖かい空間が閉じ込められる逆転層 と呼ばれる標高が高くなるのに温暖になる土地がここ。自然の神秘を感じさせる場所なんです。
こちらの柚子を使ってどこにも負けないマーマレードに挑戦しました。
日本一の富士山を仰ぎ、歴史あるこの地域の柚子は高村光太郎も良く訪れた絶景の地
この柚子と、山梨にゆかりの深い黄金をマリアージュしてさっそく挑戦です。
ポイントは、そのまま食べても薫り高く、苦味のない誰が食べても美味しいマーマレード
柚子が苦手な方のほとんどが、柚子の苦味と、強すぎる酸味が苦手なのです。
逆にあの柚子の香りを苦手な方はあまり聞きませんよね。
柚子の苦味を飛ばし、適度な酸味と・甘さを加え、
柚子の香気成分を逃がさないマーマレードをデザインしていきます
この金箔柚子茶は製造までに1週間もかかります。
柚子ジャムは日本中あちこちで作られていますが、皆さんが苦労するのが、
苦味を飛ばすと → 香りも飛んでしまう
硬い皮をやわらかく煮込むと → 酸味が飛んで黄金色が茶色に
柚子独特の風味は短時間で作らなければならないのに、柚子を美味しくするには時間が必要
相反する課題を解決するのに私達が選んだ方法は、
マーマレードの果皮とマーマレードの透明感あるジュレ成分を分けて作ることでした。
メインの材料の柚子を一度てんさい糖と煮込んで乾かし柚子ピールを作ります。
こちらの工程は柚子ジャムの作り方と変わりません。適度に細切りした柚子の苦味成分を取り除くために、何度か湯こぼしし、北海道産のてんさい糖を加えて柚子ピールのベースを煮込みます。この時点で瓶詰めすれば普通の柚子マーマレードになりますが、それを一度バットに広げててんさい糖をさらにまぶして乾かし柚子ピールに
こうすることで、柚子の内部にまでゆっくりと味がなじんで行きます。
ある程度乾いたところで、切り替えして、てんさい糖をまぶし、一週間かけて熟成させます。
味の染み込んだピールを刻み、ピール全体に金箔を混ぜ合わせます。
仕上がった柚子ピールを細かく刻んでジャム瓶の中で固まらないようにバラバラにほぐしていきます
ここで金箔を投入!
金沢の匠の技術で作り上げられる食用金箔を使っています。
ベースとなる柚子マーマレードのエキスがたっぷりのペクチン液を加えます。
ジャムビンに金箔をまぶした柚子ピールを加え、酸味あふれる柚子果汁と、香気成分をぎゅっと濃縮した柚子のハーブウォーターを加えて、マーマレード専用のペクチン液を作って流し込みます。
透明感のあるマーマレード専用のペクチン液と、味の染み込んだ柚子ピール・さらに生の風味を閉じ込めるために、柚子果汁と、自家抽出した柚子のハーブウォーターを加えます。
皮の部分の美味しさと、ジャムの部分の美味しさ。透明感をあえて分けて作ることでしっかり味が染み込んだ柚子なのに生の風味と酸味が味わえるジャムが出来ました。
閉じ込めたジャムを加熱殺菌して、出来上がったのがキラキラ輝くマーマレード
美味しいジャムをマーマレードの世界大会に出品しました。
英国湖水地方カンブリア郡の小都市ペンリス。街の中心街から10kほど離れた郊外にある歴史ある領主の館で
この風変わりなマーマレードの世界大会が毎年開かれています。
2017年の応募は世界約40カ国、3000点以上のマーマレードが集まります
。
受賞会場には、本場イギリスを中心に世界中から応募されたマーマレードが所狭しと並べられています。
私達の金箔柚子茶は金賞受賞ジャムということで、マーマレードアワードの会期中、試食販売ができるスペースに並べられ、沢山の参加者にも味わっていただきました。
この大会の審査は、すべてブラインドテストで行われ、ジャムのラベルデザインや産地などで左右されることの内容公正にマーマレードの実力だけで評価されます。
私達の金箔柚子茶は2017年の評価シートで20点満点中19点の評価を受けました。
2017年の授賞式にはイギリスの日本大使も参列しました。
2015年にプロ部門で初の日本人受賞者が2名登場して以来、年々日本からの応募者と金賞受賞者も増えており
日本大使の参列もその流れの中で、実現したようです。2017年は53の工房が金賞を受賞し、そのうち確認できただけで9つの工房は日本からの応募者でした。人気の高まりを受け、日本でのサテライト大会も想定されているようです。
柚子茶の楽しみ方
このマーマレードはそのまま召し上がってもとても美味しいのですが、お湯に溶いていただくとさらに楽しみが
お湯に溶いてきらめく金箔の舞
味で楽しみ、眼でも楽しむ、あなたの人生に彩りを添えるすこし大切な時間のためのマーマレードです。
http://marmellata.shop-pro.jp/?pid=111728812
地元のフリーペーパーでも紹介されました。作り手の思いをお読み下さい。